屋号はまだない

木工家のたまごが感じる、日々のあれこれ。

ホンモノの仕事

私の人生において、この人は、という別格級に尊敬してやまないお方が3名いる。(一方的に知ってる人ならもっといるけれど、実際に会ったお方で、の話。)

 

その3名に共通して言えることは、その一言一言の説得力、深さが段違いなのだ。

仕事に対する姿勢も、常にお金以上の価値を生み出し続けていて、現代社会が「お金にならない」として切り捨ててきてしまったものを、大切にしていて、決してないがしろにしない。そこに宿るものこそが、人に心地よさと感動を与えると知っている。細部にまで、命が宿っている、まさに、そんなお仕事をされる。

それはきっと利他の境地なんだろう。自分の利益の先にある、もっと大きなものを見ている。

 

「影で血を吐くような努力をして初めて、人に感動を与えられる仕事ができる」

と、どの方も同じようなことをおっしゃる。

他者の眼差しというものは凄くて、人を変える力がある。けれどそんな他者の眼差しの無い所で純粋な努力を続けられる人というのは本当にすごい。(私はその境地にはまだ至れていない。つい自分に甘くなってしまうから、周りに宣言することで自主的に期限を設けたり、人の目に晒すようなことを定期的に行なっている。)

 

こんな凄い人たちのホンモノの仕事に触れることができる私は本当に幸せ者だし、この出会いに恥じない仕事を私もしなければと思わされる。

まだ遠すぎて、とても大きな声では言えないけれど。

 

けれど人間、常に気を張っていられるわけじゃないから、抜け感や余白も必要で。

そのバランスも絶妙に素晴らしい人たちなんだ。力が抜けているのに、肩肘張っていないのに、その余白すら美しい。

 

そんな大人に私はなりたい。